かつての好景気と違うのは・・・
バブル崩壊後、ほとんどの企業で直面した課題がこのコスト削減。
製造業で言えば、「安く仕入れる・出ていく額を抑える」 ことで少しでも利益を増やして生き残りレースで戦ってきました。
最高益を出す企業が続出する現在、景気は回復基調にあり、事業のための土地や設備、人材獲得への投資を惜しまなくなりましたが、長い不況のせいか磨かれたコスト削減意識は残っています。
“いつどうなるか分からない”心理状態。緊張の糸を切らせない訓示。「カイゼンカイゼン」 、「ムダは敵、競争力低下の元」という徹底振りです。
最高益を出す企業のコスト意識の特徴には下の例があります。
- 乾いた雑巾を絞れ
いままでのコスト削減はもちろん継続。
「削減された状態が当たり前。それがスタート」 - 常識を打ち破れ
常に新たなコスト削減案を思索。
「常識・業界・国に拘らない大胆発想」
そして
- 掛けるところには掛ける “メリハリ投資”
かけたコストが何倍にもなって帰ってくる方法とは
導入した後に比較しにくい、目に見えてこない効果を出すのにはいくつか方法があります。
例1:良いデザインを取り入れる。
エントランスをはじめワークスペースや厚生エリアを洗練されたデザインにすると、企業イメージがUPします。

メリット・効果としては
- 人材採用への応募件数が格段に増えるケースが見られます。向上心の旺盛な人材が集まりやすくなり、いままで募集に掛かった広告費、派遣会社への紹介料など大幅に削減することができます。
- 友人にも自慢できるほど、“もっと会社が好き”になって社員のモチベーションは上がり、離職率は逆に下がり始めます。
例2:「変化」を前提とする。
頻繁に組織の変わるオフィスでは、それに伴うレイアウト変更に掛かるコストも馬鹿になりません。あらかじめ増える人員を予測した余りスペースを確保したり、用途変更できるスペースにしておくといった工夫が必要です。また、デスク・電話・LANを動かさず、“人のみが動く”という仕組みにしておけば、オフィスのランニングコストが削減されます。
コスト削減メニュー
日々、進化する技術・設備、常に市場の動向に目を凝らし、自社に合ったツールを発掘。
最小のコストで、最大の満足を
こういった活動は、省エネ・環境保護・ISO取得まで視野を広げることができます。
その他、コスト削減方法は下の1〜4の大項目にほぼ内包されます。
既に実践されている場合でも複数組み合わせることでさらに削減に弾みがつくことが予測されます。
- スペース (賃料等)
- 購買コスト (消耗品・調達)
- 経費
- エネルギーコスト
1. スペースの削減 (賃料)
- 拠点の統合
→統合によって重複していた部分の賃料の削減。 - ファイリング導入
→重複した文書保管のルール化・整理・廃棄・外部保管によるキャビネットスペースを削減。 - ペーパーレス(電子化)
→文書の電子化によるキャビネット、書庫スペース減。e-文書法(*1)も後押しする。 - スペーススタンダード策定
→統一化されていない執務スペースを部門や職制で均一化、無駄なスペースを削減。 - 会議、ミーティング
→稼働率調査による室規模、室数の見直し。また1フロアへの集約化で室数削減。
(※予約システムが必要)
ワークスタイルの変化でスペース削減
- フリーアドレス、モバイル、SOHO
→離席率の高い部門・職種に導入することでスペースを削減。
2. 購買コストの削減 (消耗品・調達)
- 商品、取引業者の絞り込み、一括購入、共同購入
→大量発注による購買コスト減。
参考HP:アスクルアリーナ - 書類のファイリングや電子化によるペーパー量の削減。
3. 経費の削減
- 定型業務、間接業務
→IT化で人件費を削減。 - 定型業務、間接業務
→アウトソース化で人件費を削減。 - 福利厚生
→カフェテリアプラン(*2)導入+アウトソース化で人件費を削減。 - レイアウト変更
→変更時の工事負担減(OAフロア/無線LAN/非固定電話)。 - OA機器(プリンター/コピー/FAX/スキャナー 等)
→共有化+複合化で、購入・リース・メンテ・ランニングコストを削減。 - 遠方会議
→TV会議システム導入による出張費、移動時間のムダを削減。 - 電話/通信
→IP電話の導入で通信コスト減、また固定電話の廃止による変更作業コストの削減。 - メンテナンスのメニュー、業者
→定期的な設備工事・清掃項目の見直しや、より低価格な業者検討。
4. エネルギーコストの削減
- エネルギー消費量 (移転も考慮して比較)
→コージェネレーション(*3)や地域冷暖房(*4)、氷蓄熱システム(*5)、屋上緑化など対応可能なビル、また電力会社の見直し、自家発電、雨水利用など、新技術の検討。またこれらの既設ビルへの移転も含めてコスト比較。
コスト削減策の導入手順

- 用語解説
- (*1)e-文書法とは
2005年4月施行。 政府のIT戦略本部が推進しているe-japan戦略の重点政策で、紙での保存が義務だった財務や税務関連の書類・帳票を、電子データとして保存することを認める法律。 - (*2)カフェテリアプランとは
自分に必要な福利厚生サービスを選べる、選択メニュー式の福利厚生制度。個人差による福利厚生制度の受益格差をメニュー選択が可能なサービスを提供することにより解消しようというのがカフェテリアプラン。福利厚生の事務作業代行というアウトソーシングが多い。 - (*3)コージェネレーションとは
熱と電気を同時に供給することができる熱電併給システムのこと。 ガスやディーゼルなどの原動機を使って発電をしながら、排熱を給湯、暖房、冷房などに利用するシステム。 - (*4)地域冷暖房とは
ビル毎に行ってきた従来の冷房・暖房に対して、地域内の建物群の冷暖房・給湯をまとめて行うシステム。 - (*5)氷蓄熱システムとは
夜間の安い電力で熱エネルギーを蓄熱槽に蓄え、昼間の空調に利用する。省エネ、経済的、環境にやさしいと言ったメリット。
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